法定後見人とは、判断能力が不十分な成年者(成年被後見人)について、本人に代わって法律行為を行う者、または本人による法律行為を補助する者です。
法定後見人は、家庭裁判所によって選任され、本人の財産や身上の保護を図り、本人の権利と利益を守るために重要な役割を担っています。
法定後見人は、以下の3つの類型に分けられます。
- 成年後見人:判断能力が常に欠けている状態にある成年被後見人について、本人に代わって法律行為を行う者です。
- 保佐人:判断能力が著しく欠けている状態にある成年被保佐人について、本人に代わって法律行為を行う者です。
- 補助人:判断能力が不十分な状態にある成年被補助人について、本人による法律行為を補助する者です。
法定後見人の権限は、類型によって異なります。
- 成年後見人:本人の代理権(本人に代わって法律行為を行う権限)と同意権(本人が法律行為を行うことを同意する権限)を有します。
- 保佐人:本人の代理権(本人に代わって法律行為を行う権限)を有しますが、同意権は有しません。
- 補助人:本人の代理権(本人に代わって法律行為を行う権限)を有しますが、本人の同意を得た法律行為については、代理権が制限されます。
法定後見人は、本人の意思を尊重し、本人の権利と利益を守るために、適切な事務を行うことが求められます。share