遺品整理業者の選び方や費用、利用する上での注意点を解説
家族が亡くなった後は葬儀や相続、さまざまな手続きで慌ただしいもの。中でも特に時間と労力がかかるのが遺品整理です。故人との思い出に浸りながら親族でコツコツと進めていくこともできますが、忙しい日々の合間をぬって片付けるのはなかなか大変。そんな時は、遺品整理業者に依頼するという手もあります。プロの手で作業してもらえば一日で片付き、親族は他に行わなければならないことに時間を使うことができます。
そこでここでは、遺品整理業者の選び方や依頼する際に気をつけたいポイントなどをご紹介します。遺品整理を行う際に役立ててください。
遺品整理業者を利用するメリット
遺族の手間を大幅に軽減できる
遺品整理では、家を一軒まるごと、もしくは一部屋まるごと整理することになるため、大変な時間と労力がかかります。親族が遠方にいる場合や日中仕事で忙しい場合などは、特に作業がなかなか進みません。遺品整理業者は、このような悩みを一気に解決してくれます。
不用品の処分や買取も行ってくれる
遺品整理業者の多くは、部屋の片付けだけでなく、不用品の処分や買取までを一括で行ってくれます。買取してもらった金額を遺品整理の費用にあてることもできるため、非常に効率よく遺品整理が進みます。
専門知識を有している
遺品整理の専門業者であれば、豊富な知識を活かして、保管すべきものと捨てるべきものを判別してくれます。「遺言書はこういう場所に置いてあることが多い」といった経験から、大切な書類を見つけ出してくれることもあるでしょう。
遺品整理業者に依頼した場合の費用
費用は整理する家の間取りや部屋の面積、物量やサービス内容によって異なりますが、費用相場は次のようになっています。
間取り | 費用相場 |
ワンルーム | 3〜8万円 |
1LDK | 7〜20万円 |
2LDK | 12〜30万円 |
3LDK | 17〜70万円 |
信頼できる遺品整理業者の選び方
遺品整理業はこの数年で需要が伸びていることから業者の数も増えており、その質も玉石混交です。中にはサービスや作業の質が悪い業者もいます。まずは複数の業者から見積もりを取って比較し、大まかな相場を把握しましょう。また、その費用の中にはどのようなサービスが含まれているかを確認することも大切です。買取や不用品の処分などが標準のサービスとして含まれていない業者もあるので、必ず確認を。また、相場より安すぎたり高すぎたりする業者への依頼はおすすめできません。
信頼できる業者に依頼するために、業者選びの際には次のようなポイントを重視して選ぶと良いでしょう。
業者選びにチェックするポイント
- 必要な資格を有している
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廃棄物を処分する「一般廃棄物収集運搬許可証」は必須の資格なので、依頼する際は保有の有無を確認しておきましょう。また、遺品の整理に特化した「遺品整理士」や中古品の売買に必要な「古物商許可証」などを持っている業者もいます。
- 遺品整理専門の業者である
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不用品回収業者が事業の一つとして遺品整理を行う場合もありますが、遺品の扱いが雑であったり、必要なものを事前に伝えていても捨てられてしまったりと、トラブルになるリスクが高くなります。遺品整理を丸ごと任せたい場合は、専門とする業者に依頼する方がサービスも充実していて安心です。
- スタッフの対応が丁寧
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ホームページのお問い合わせへの返信が早く丁寧か、電話応対の印象が良いか、料金への質問に明確に答えてくれるかといった、スタッフの対応もチェックを。たとえ捨てるものであっても、遺品を誠実に扱ってくれる業者に依頼した方が気持ちも穏やかにお別れができます。
- 下見をしっかり行ってくれる
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遺品整理を行う際は、処分する物の量や大きさを事前に把握し見積もりをするために、必ず下見を行うものです。下見に来ない業者への依頼は避けましょう。
こんな場合はリサイクル業者や買取業者に依頼するという手も
「いるもの・いらないもの」の仕分けや大まかな部屋の片付けは親族でできるけれど、不要品の買取だけは業者に依頼したい、という場合はリサイクル業者や不要品買取業者に依頼するのも良いでしょう。冷蔵庫や洗濯機など大型の家電も引き取ってもらえますし、場合によっては買い取ってもらえる可能性もあります。
遺品整理業者に依頼する際の注意点
室内を片付けている最中に見つかった通帳や現金を勝手に捨てられることはありませんが、写真や思い出の品に関しては残すか捨てるかは、遺品整理業者では判断できません。捨てられて困るものはあらかじめ「取っておきたいもの」と伝えておきましょう。また、宝石や貴金属、ブランド品などは、遺品整理業者での買取より、専門の鑑定士などに依頼した方が価値を正しく査定してもらえます。鑑定士を遺品整理業者に紹介してもらうこともできますが、仲介料を取られることがあります。インターネット等で簡単に情報を収集できるため、自分で探すことをおすすめします。
遺品整理業者による遺品整理の流れ
問い合わせ
遺品整理業者に問い合わせ、下見の日時を決定します。
下見
見積もりのため、現地の下見を行います。この時に「捨ててほしくないもの」や予算などの希望を伝え、最適なプランを提案してもらいます。
契約
プランや作業内容に納得したら契約へ。作業日などの日程調整を行います。
作業日当日
当日は、形見分け(「形見分けの方法は?タイミングや贈るときの注意点を解説」)の品や買取品など、必要なものを仕分けした上で、残った不用品を屋外に搬出し、最後に室内の清掃を行ってもらいます。最後に、現地に立ち会って室内が清掃されているか、貴重品などが揃っているかをチェックしましょう。
遺品整理業者への依頼は、親族で話し合ってから
家族が亡くなった後はバタバタと忙しく、悲しみに浸る間もないほどです。それでも、依頼できる部分は業者に任せることで、家族の負担もずいぶん軽くなります。家族で行うこと、業者に任せることを効率よく切り分けることで、少しでもゆとりの時間を持つことができます。
ただし、遺品整理は相続にも関わるため、業者に依頼する前に親族間で話し合いの場を持つことが大切です。依頼するかどうか以外にも、貴重品の扱いはどうするのか、形見分けはどのように行うかなども話し合っておきましょう。