「孤独死」を他人事にしないために～いま私たちにできること～ | ホームハンズ

近年、「孤独死（こどくし）」という言葉を耳にする機会が増えました。高齢化が進むなかで、家族や地域とのつながりが薄れ、誰にも看取られずに亡くなる方が年々増加しています。孤独死は決して特別な人に起こることではありません。誰にとっても身近な問題であり、明日は我が身とも言える課題です。
今回は「孤独死」について、私たちが今できることをコラムでご紹介します。

孤独死とは？

孤独死に明確な定義はありませんが、一般的には「自宅などで一人で死亡し、死後数日以上経過してから発見されるケース」を指すことが多いです。単に一人暮らしの方が亡くなることとは異なり、「誰にも看取られず、発見が遅れる」という点が特徴です。

孤独死が起こる背景とは？

孤独死の多くは、以下のような背景によって引き起こされています。

• 高齢による身体的な衰え
• 配偶者との死別や子どもとの疎遠
• 近隣との関係が希薄
• 病気や障がいによる外出の困難
• 経済的困窮や生活環境の悪化

こうした状況の中で、体調を崩しても助けを求めることができず、誰にも気づかれないまま命を落とすケースが後を絶ちません。

孤独死が増加する背景について

なぜ孤独死は増えているのでしょうか。いくつかの要因が考えられます。

• 核家族化・単身世帯の増加: 家族が離れて暮らすようになり、近所付き合いも希薄になったことで、異変に気づかれにくくなっています。
• 少子高齢化: 高齢者の一人暮らしが増加し、身体的な衰えから孤立しやすくなる傾向があります。
• 地域コミュニティの希薄化: 昔ながらの地域のつながりが薄れ、住民同士の交流が減少しています。
• 経済的な問題: 経済的な困窮から、社会との接点を失ってしまうケースもあります。

孤独死がもたらすもの

孤独死は、亡くなったご本人だけでなく、様々な影響をもたらします。

• 精神的なショック: 遺族にとっては、亡くなった方の最後の様子を知ることができないという悲しみや、発見が遅れたことへの自責の念など、大きな精神的負担となります。
• 物理的な負担: 発見が遅れた場合、遺体の損傷や部屋の汚損が進み、特殊清掃や消臭作業が必要となるなど、遺品整理の負担が増大します。
• 金銭的な負担: 特殊清掃や原状回復には高額な費用がかかる場合があります。
• 社会的な影響: 孤独死が増えることは、地域社会のあり方や福祉の課題を浮き彫りにします。

「孤独死」を防ぐための取り組み

孤独死は、個人の問題だけでなく、社会全体で取り組むべき課題です。では、私たちは今、何ができるのでしょうか。

1. 日頃からコミュニケーションを意識する:
   • 家族や親戚と連絡を取り合う: 離れて暮らしていても、定期的に電話やメッセージで連絡を取り、安否確認を習慣にしましょう。
   • 近所付き合いを大切にする: 地域のイベントに参加したり、挨拶を交わしたりするだけでも、いざという時の助けになります。
   • 友人・知人との交流を続ける: 趣味のサークルや地域の活動に参加するなど、社会との接点を持ち続けることが大切です。
2. 地域や行政のサービスを利用する:
   • 見守りサービス: 自治体や民間企業が提供する見守りサービスを活用することも有効です。安否確認や緊急時の連絡体制が整えられます。
   • 地域の相談窓口: 孤立を感じたら、地域の包括支援センターや民生委員など、相談できる窓口を利用しましょう。
3. エンディングノートの活用:
   • ご自身の情報を整理し、緊急連絡先や財産、葬儀の希望などをエンディングノートにまとめておくことで、万が一の際に周囲が困惑することを減らせます。
4. 終活を通じて自身のもしもに備える:
   • 生前のうちに、遺言書の作成や財産の整理、葬儀やお墓の準備など、終活を進めておくことで、ご自身の意思を明確にし、残された家族の負担を軽減することができます。

孤独死は、誰にとっても起こりうる問題です。だからこそ、私たちは無関心でいるのではなく、一人ひとりができることを考え、行動することが大切です。

最後に～つながりを大切に～

孤独死が発生すると、発見の遅れによる遺体の腐敗、室内の汚染、強い異臭などが問題となり、遺族だけでなく、大家さんや近隣住民にも大きな影響を与えます。突然のことで混乱し、どこに相談すればいいのか分からないという声も多く聞かれます。

そのような場合、私たち終活ホームハンズでは、特殊清掃や原状回復作業を含め、心のケアにも配慮した対応を行っています。遺族の方の気持ちに寄り添いながら、丁寧にサポートさせていただきます。孤独死は「社会の孤立」を映し出す鏡です。しかし、私たち一人ひとりの意識と行動で、防ぐことができる問題でもあります。
日々の小さな声かけ、つながりの積み重ねが、誰かの命を守る一歩になるかもしれません。

もし身近な人の様子が気になる、または自分自身の将来が不安という方は、どうぞお気軽に私たちにご相談ください。
終活ホームハンズは、「一人にしない」社会づくりを目指して、これからも地域の皆さまと歩んでまいります。