
終活というと、遺言や財産整理、お墓のことなどをイメージしがちですが、「介護」への備えは、自分自身が心地よく暮らしていくための最も重要な終活の一つです。
特に「介護認定」は、将来の生活の質を大きく左右する鍵となります。過去に「メリット・デメリット」の記事は投稿されていますので、今回は「終活として、介護認定にどう向き合い、どう準備しておくべきか」という視点から、具体的な準備術と心構えをご紹介します。
1.介護認定は「終活のチェックポイント」として活用する
介護認定は、単にサービス利用の資格を得るための手続きではありません。現在の自分の心身の状態を客観的に把握し、将来の生活設計を見直すための重要な「チェックポイント」と捉えることができます。
・現状の把握:認定調査のプロセスを通じて、日常生活のどの部分にどの支援が必要なのか、あるいはこれから弱っていく可能性があるのかが明確になります。これは、ご自身の終活の優先順位を決めるのに役立ちます。
・「非該当(自立)」でも意味がある:介護認定で「非該当」と判定されても、それは「今は自立している」という照明であり、安心材料になります。また、多くの自治体が行っている「総合事業(介護予防)」など、自立した生活を続けるためのサービス情報を集める良い機会になります。
・必要な医療・介護情報の整理:認定申請には「主治医意見書」が必要です。終活の一環として、かかりつけ医を明確にし、日頃から健康状態や将来の希望を相談しておく体制を整えておくことが重要です。
2.家族との「介護の話し合い」を終活で仕組化する
多くの人が介護について不安を感じているものの、「話したいが話し合えていない」という現状があるようです。
終活の準備を進める際、「エンディングノート」や「意思表示文書」などを活用して、家族と介護に関する具体的な希望を共有する機会を作りましょう。
| 終活文書 | 記載・共有すべき介護関連の項目 |
| エンディングノート | 療養場所の希望(自宅か施設か)、希望する介護サービスの概要、介護してほしい人(希望)、財産・保険の確認先、延命治療の意向など。 |
| 医療・介護の意思表示書 | 介護度が上がった際の対応(施設入所時期など)、看取りの場所、認知症になった際の財産管理(任意後見制度の検討)など。 |
話し合いの切り口として、「もし要介護1になったら」「もし認知症と診断されたら」といった具体的な認定レベルを想定したシミュレーションを行うと、より建設的な議論につながります。
3.介護資金と住まいの終活準備
介護認定を受けてサービス利用が始まると、費用負担が発生します。終活として、介護資金の準備も欠かせません。
・介護費用シュミレーション:終活の中で、自身の貯蓄や年金、加入している保険(生命保険、医療保険、介護保険など)を確認し、月々〇万円の介護サービス費を賄うには、あと何年分の資金が必要か」を計算しておきましょう。
・住まいの準備:要介護度が上がると、自宅での生活に限界が来る場合があります。終活の段階で、「バリアフリーリフォームの可能性」や「将来利用する施設の候補(費用含む)」を調べておくと、いざという時の判断がスムーズになります。
4.さいごに
介護認定は、人生の「最終章」を、自分らしく、安心して送るための土台作りです。ぜひ、終活の一歩として、介護への備えを具体的に進めてみてください。










