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大切な家族であるペット。彼らとの暮らしは大きな喜びですが、私たち飼い主自身の「もしも」の時に、この子たちが路頭に迷わないように準備をしておくのが「ペットの終活」です。
これは、ペットの老後に備えるだけでなく、飼い主であるあなたが入院したり、万が一のことがあったりした際に、ペットの未来を守るための大切な準備です。
終活の一環として、愛するペットのために今すぐできる5つの準備をご紹介します。
1.「ペット情報ノート」を作成する
あなたが急に入院したり、万が一の事態でペットの世話ができなくなった時、代わりに世話をしてくれる人が困らないように、ペットの情報をまとめておきましょう。
<記載すべき基本情報>
- ペットのプロフィール: 名前、種類、生年月日、性別、性格(好きなこと、嫌いなこと、癖など)
- 健康・医療情報:
- かかりつけの動物病院名、連絡先
- 既往歴、現在の投薬情報、アレルギー
- ワクチン接種や狂犬病予防接種の履歴
- 保険の加入状況
- 日常のケア情報:
- 食事の種類、量、回数
- 散歩の時間帯や回数
- 緊急連絡先(親族や友人など、信頼できる人)
ポイント: エンディングノートに「ペット引き継ぎ情報」のセクションを設けたり、別途ファイルを作成したりして、貴重品と一緒に分かりやすい場所に保管し、緊急連絡先にその場所を伝えておきましょう。
2.「新たな飼い主」候補を決めておく
あなたがペットのお世話をできなくなった時、誰が引き取ってくれるのかを明確にしておくことが最も重要です。
- 候補者と話し合いを: 家族、親族、友人など、信頼できる人に事前に相談し、引き取りの意思を確認しておきましょう。
- 引き継ぎの条件を明確に: 飼育環境や経済的な負担についても、候補者としっかりと話し合っておくと安心です。
3.飼育費用を託すための対策を検討する
ペットを引き取ってもらう際、新しい飼い主の経済的な負担を減らすため、飼育費用を用意する方法を検討しましょう。
ペットは法律上「物」として扱われるため、「ペットに財産を相続させる」ことはできません。そのため、以下の方法が一般的です。
- 負担付遺贈/負担付死因贈与契約: 遺言書や契約によって「ペットの世話をすること」を条件に財産(金銭など)を託す方法です。
- ペット信託: 飼育費用を信託銀行などに預け、あなたが指定した「新しい飼い主」に、ペットの世話をする限り定期的に費用を給付してもらう仕組みです。
ポイント: 費用を託す方法については、トラブル防止のためにも弁護士や信託銀行などの専門家に相談することをおすすめします。
4.ペットと一緒に入れる施設をリサーチしておく
飼い主自身の老後を考え、ペットと一緒に暮らせる老人ホームや介護施設があるか、情報収集をしておきましょう。
近年、ペットと共に入居できる施設は増えていますが、数には限りがあります。早めに情報収集し、必要であれば資料請求などをしておくと、将来の選択肢が広がります。
5.ペットとの「最後の別れ」の希望を決めておく
愛するペットを看取る時が来た場合、後悔なく見送れるように、葬儀や供養の希望を考えておきましょう。
- 葬儀・火葬の方法: 合同火葬、個別火葬、立会い火葬など、希望する形式を検討しましょう。
- 供養の方法: 自宅での手元供養、霊園への埋葬・納骨、散骨など、どのように供養したいかを決めてエンディングノートに記しておきましょう。
まとめ
「ペットの終活」は、愛するペットとの別れを前提とした寂しい準備ではありません。むしろ、**「この子の生涯の幸せを、私が最後まで守り抜く」**という強い愛情の証です。
あなたが元気な今だからこそ、冷静な判断で準備を整えることができます。さあ、今日から一つずつ、ペットとの「安心な未来」のための準備を始めてみませんか。










