
高齢化や人口減少の影響を受け、日本全国で空き家の増加が問題となっています。特に相続などをきっかけに、自分では使わない実家や住まいを持て余している方も多いのではないでしょうか。
そうした背景の中、注目されているのが「空き家バンク制度」です。
この記事では、空き家バンク制度の仕組みやメリット・デメリット、利用時のポイントについて、終活世代の皆さまに役立つ情報としてご紹介します。
「空き家バンク制度」とは?
空き家バンクとは、空き家を「売りたい」「貸したい」という所有者と、「買いたい」「借りたい」という希望者をつなぐ、自治体主導のマッチング制度です。
各自治体がホームページなどで空き家情報を公開し、利用希望者と所有者が安全にやりとりできるよう支援します。
空き家バンクの主なメリット
1.空き家の有効活用ができる
長年使われていない家でも、新たな住まいを探している方に引き継ぐことができます。地域の活性化にもつながります。
2.自治体が関与するので安心感がある
契約の際は不動産業者の仲介が入るケースが多く、個人間のやり取りに比べてトラブルを避けやすくなっています。
3.費用負担が少ない
広告掲載や紹介などが無料または低コストで行えるため、一般的な不動産売却・賃貸に比べて掲載的負担が軽減されます。
4.相続対策・終活の一環として有効
使わなくなった家の管理や処分に悩むことがなくなり、相続人の負担軽減にもつながります。
一方で知っておきたいデメリット
1.成約までに時間がかかることがある
空き家の立地や状態によっては、利用希望者がなかなか現れないこともあります。
2.リフォームが必要なケースが多い
老朽化が進んでいる物件の場合、住める状態にするための改修費がかかることもあります。
3.価格が希望通りにならないことも
空き家バンクは地域再生が目的のため、市場価格よりも割安な金額で取引される傾向があります。
空き家バンク利用の流れ(一般的な例)
1.自治体へ相談・申請
まずは、物件の所在地を管轄する自治体に問い合わせます。
2.現地調査・登録
自治体や提携業者による物件の確認が行われます。問題がなければ空き家バンクへ登録。
3.サイトへの掲載・広報
自治体のウェブサイトや情報誌などに空き家情報が掲載されます。
4.利用希望者とのマッチング・契約手続き
購入・賃貸希望者が現れたら、条件交渉や契約手続きへと進みます。
空き家バンクを利用する際の注意点
・自治体によって制度の内容やサポート体制は異なるため、必ず事前に確認を。
・登録前に、不動産登記や権利関係の整理をしておくとスムーズです。
・物件によっては、仲介に不動産業者を介する場合があり、仲介手数料が発生することもあります。
まとめ:空き家を「負動産」にしないために
誰も住まなくなった実家や、将来的に使う予定のない家を放置しておくと、固定資産税や維持管理の負担が続いてしまいます。
「誰かに使ってもらいたい」「家を有効活用したい」と考えている方にとって、空き家バンク制度はとても有効な選択肢です。
終活の一環として、ぜひ一度、地元の空き家バンク制度を調べてみてはいかがでしょうか。